今日は発売日!

sugi30th_Staff2008-11-19

 いよいよ今日は、BOXの『BOX POPS』『JOURNEY TO YOUR HEART』とV.A.『WINTER LOUNGE』のリイシュー盤の発売日です。今回のリイシューに関しては、オリジナル・マスター・テープを入念にチェックし、オリジナル・マスターの持つ質感を忠実に再現するという方向性でリマスタリングしました。特にBOXの場合はオリジナルCD(1st…88年/2nd…90年)に加え、2002年には2in1で再リリースされているため、どれと聴き比べても音の感じが若干違って聴こえるかも知れませんが、今回のリマスターは、前述のようにオリジナル・マスターの持つ質感を忠実に再現する、ということを念頭に置き、しかも杉真理松尾清憲、小室和幸の3氏立ち会いの下、時間を掛けてきちんと作業を進めましたので、皆様に喜んでいただけるものができたのではと思っております。
 ここで1つ、裏話を。マスタリングの機材や技術が日進月歩だということは、最近も色々なところで語られていますが、その時代によってマスタリングの好みや傾向も変わるのです。例えば今回のリマスター盤紙ジャケ『BOX POPS』1曲目の「Temptation Girl」と、2002年の2in1盤の1曲目を聴き比べてみて下さい。明らかに2in1盤の方が派手に聴こえるはずです。2002年当時はスタジオでの作業の傾向としては、とにかく音圧感重視、そのためには低域や高域を敢えて上げて、音のエッジを際立たせ、場合によっては音圧感を際立たせるためにコンプレッサーをかけてギリギリまでレベルを稼ぐ、という方向性が一般的だった気がします。しかし今はそうではなく、あくまでも「オリジナル・マスターの持つ質感」を重要視しながらナチュラルな方向へ、というのがメイン・ストリームなのです。景気の良いときはイケイケで派手な音作りになりますし、それが一段落するときちんと大人が落ち着いて聴ける方向へとシフトする傾向にあります。
 『BOX POPS』はハーフ・インチのアナログ・マスター、『JOURNEY TO YOUR HEART』は3/4インチのデジタル・マスター、『WINTER LOUNGE』は1/4インチのアナログ・マスターと、マスター・テープの種類も異なるのですが(もっと言ってしまえば、ボーナス・トラックとして使用したトラックのマスターはDAT、カセットなどまちまちです)、その辺りの統一感ももちろん考えつつ丁寧に作りました。今回の3タイトルはまさに決定盤として、マスタリングを担当されたソニー・スタジオの阿部さんも素晴らしい仕事をして下さいました。末永くお聴聞きいただけると嬉しいです。